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今日

医者の僕――内山大智のもとへ

珍しい奴が、診察へ来た。










「内山先生。これ、次の患者のカルテです」


「ありがとう」





いつものように、僕は担当の診察室にいると。



癖であるペン回しをしながら仕事であるパソコンとにらめっこしていた時、次の患者のカルテが看護師から渡された。





パソコンを閉じ、カルテに目を移す。






患者の名前は――







「藤堂、圭伍くんか…」








カルテに全て目を通した時は、特に何も思わなかった。




目の下がものすごく腫れていて、出血がひどいと。


それだけしか書かれてなかった。








「わかった。じゃあ患者を中へお願い」


「はい。今呼んできます」


「よろしく」







特に何も変化はなく。


いつもの、普通の、診察までの流れだった。







看護師が診察室から出て行った時、もう一度そのカルテに目を通す。







17歳、高校2年生の男。



よくあるパターンからすると、この年頃の男どもが診察に来るときは、いつも喧嘩とか何らかの傷である。





藤堂くんもきっと、そんなガキ同士の喧嘩で来たのかと、そう思った。