さすがの俺も、唖然。
「……は?」
「あぁ、ごめん。突然すぎたかな。ちょっとでも君と近づきたくてね」
いやいやいやっ、別にその呼び方でも構わないんだけど!
今の変貌は、一体何!?
「あ、いえっ。“ケーゴ”でいいですよ」
「そっか。それはよかった!」
「はは……」
ちょっとこの先生、怖いかも……。
何考えてるのか分かんねぇ……。
多分今の俺の顔、引きつってる。
うわ、最悪。
何でよりによってこんな先生に当たるんだよ。
そう思っていた、その時。
先生が、首にかけていた名札を取り、俺に差し出した。
「え?」
「僕の名前は、内山大智。この病院の外科医をやっています」
その名札を、丁重に受け取る俺。
「ケーゴ、よろしく!」
何考えてるんだ、この先生。
関わりたくないタイプ。
でも病院だから、それはいけない。
俺は“いい子”なんだから―――。
「……はい」