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「藤堂さん。藤堂圭伍さん。2番診療室へ」
「あ、はい」
たくさんの患者が座っている、待合室の中。
俺の顔に突き刺さってくる、痛い視線の数々。
そんなにひどい顔してるんだろうか、俺は。
鏡見てないからわからないけど。
それを見かねた病院の看護師が、優先して俺を診療室に呼んでくれた。
立ち上がる時も。
歩き出す時も。
たくさんの痛々しい視線が、俺の動きに合わせて動いているのがわかる。
俺は顔を手で隠しながら、2番診療室へと向かった。
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――ガチャッ。
「失礼します」
診療室のドアに手をかけると。
隙間からは、男の医師の先生が、ニコニコ笑っているのが見えた。
「藤堂、圭伍くんだね」
「は……はい」
よく見ると、その先生は、すごくカッコよかった。
男の俺が見ても、今にも惚れてしまいそうな整った顔立ちで、思わず見とれてしまいそうだ。
こういうの……爽やかイケメンっていうのか?
まぁとにかく、イケメンであることに間違いはないということだ。