ルイ～涙～

学校で、何度も何度も習った。



テレビでも、恵まれない子供たちの映像を、何度も見たことがある。







欲しくても、買ってもらえない子もたくさんいる。










なのにあたしは、なんでも持ってる。



健康な体以外、何不自由ない生活をしてる。









おかしいと思わない？





ただ、お金持ちってだけで。

お金を持ってないってだけで。



こんなにも生活が変わってもいいの？





ママやパパは、そう思ったことはないの？




ママ―――。









「ママ、あたし―――」


「ルイ、ごめんね。ママ、ルイの気持ち、ちゃんと分かってなかったみたい。ルイが飛び出してから気づいたの……。ほんとにごめんね」







え？

あたしの気持ち、分かってくれたの？



お金の大事さ、気づいてくれたの？









「……え？分かってくれたの？あたしの本当の気持ち」






ママ。

あたし、ほんとは心のどこかで思ってたんだ。



大好きなママなら、ちゃんと気づいてくれるって。





わかってくれたんだよね……？








「ええ……。ルイ、本当にごめんなさい……」


「ママ……あたしこそ、ごめんなさい。あたしの気持ち、分かってくれないと思って……」


「ううん。悪いのは、全部ママよ。ルイの気持ちに今更気付くなんて、遅すぎるわ……」




「じゃあママ……。あたしの本当の気持ちは、なんだと思う？」









ホントのほんとに、わかってくれたんだよね……？








「……」


「ママ……？」




「ルイは、もう高校生よね……」





……え？





「……え、うん」


「高校生にもなったら、もっと可愛い洋服とか、キラキラした宝石とか、たくさん欲しいわよね……」










……。












「ごめんなさいね。最近あんまり買ってあげられてないから怒ってるのよね……」









――ママ。ママ。




もうあたしは、あなたを……信じられない。