頬は相変わらず、痛い。 風が当たるから、余計痛い。 でも、不思議と爽快感。 こんなに本気に走ったのは、どれぐらいぶりだろうか。 なにかにこんなに本気になったのは、何年ぶりだろうか。 “俺らしい俺”になれたのは、何年ぶりだろうか。 通学路を走る。 誰もいない、通学路。 俺が一番求めている場所に向かうために。 とにかく、走った。