骨が折れてたって、どうでもいい。
そのまましていて死んだって、どうでもいい。
ていうか、死んだほうがマシか。
俺には、未来なんてないんだから。
そこで、ふと、テレビの横に飾られていた写真に目がいった。
その写真は……
「これ……親父とお袋か……」
高校生の頃の、親父とお袋の写真だった。
学校の屋上で、友達にとってもらったらしい2ショット写真。
2人ともまだ若くて、使い古したブレザーをきちんと着こなしていた。
今では考えられない光景。
見ていてすごく微笑ましい写真だけど……将来こういう風な大人になるんだったら、結婚なんてしたくないと思った。
でも。
“高校の屋上”は、すごく綺麗で。
思えば俺は、1度も屋上になんか登ったことがなかった。