「――圭伍。お前最近、成績下がってきてんじゃないかぁ?」
リビングで一人くつろいでいた俺にそう言ったのは……親父だった。
……久しぶりの会話。
多分、同じ家にいながらも、1週間以上話してなかった。
「……何で?親父には関係ねぇじゃん」
飲んだくれで、仕事もサボって、最低最悪の親父。
そんな奴と血が繋がってるってのも嫌なぐらい。
俺の成績なんて、どうでもいいくせに。
模試の結果を渡したって、見ずに破って捨てるくせに。
どんなに頑張って1位を取ったって……褒めてくれなかったくせに。
どうして悪くなったときだけ怒るんだよ。
「お前……ッ!親を馬鹿にするのもいい加減にしろよぉ!?あぁ!?」
親父は形相を変えて、思いっきり俺の胸ぐらを掴んだ。
多分、相当嫌なことがあったのだろう。
いつもは俺に目も向けないくせに、今日は一段と絡んでくる。