思いっきり目を閉じてみる。
真っ暗な、宇宙のような空間。
ううん、宇宙じゃない。
宇宙は、キラキラ輝く星や月がたくさんある。
あたしの中の空間は……真っ暗で、何も見えない。
怖い、怖い世界だ。
―――その中で、ひとりぼっちのあたし。
「……うっ……うえっ……っ」
……ダメだ。
やっぱりあたしは強くない。
弱虫だ。
たったこのぐらいで涙が出てきて。
もう一度、思いっきり目を開けてみる。
すると待っていたのは……澄み渡った明るい世界。
見た目だけの、漫画の中に出てきそうな、綺麗な景色。
中身なんて何もない、空想みたいな現実の世界が見えてくる。