初めて、こんなに走った。
息が苦しい。
うまく呼吸ができない。
助けて、誰か。
でも……やっぱり、楽しいの。
屋上についた時にはもう、ヘトヘトで。
ビュービュー風が吹いている、あたしが目指していた屋上の真ん中に、思いっきり寝そべった。
すると―――空と地面が、逆さまになってしまった。
「……うわぁっ!すごっ!」
普通の高校生なら、こんなことで感動したりしないんだろうな。
でもあたしは、普通の高校生じゃないから……感動する。
もうすぐ17時になるっていうのに、辺りはまだ明るくて。
……眩しくて。
あたしは思わず、目を擦った。
こんなにすっきりした気持ちになれたのは、何年ぶりだろうか。
こんなに心が晴れやかな気持ちになれたのは、どれぐらいぶりだろうか。