――小学生の頃。
校庭で走り回っている友達が、凄く羨ましかった。
跳び箱5段が飛べて、担任の先生から褒められていた友達が、凄く羨ましかった。
逆上がりが上手く出来なくて落ち込んでいる友達が、凄く羨ましかった。
ずっと思ってた。
どうしてあたしは、何もしちゃいけないんだろうって。
どうして皆やってるのに、あたしだけ走っちゃいけないんだろうって。
どうして皆は体操着を着て跳び箱を跳んでいるのに、あたしだけは着替えずに、傍で応援するしか出来ないんだろうって。
どうして毎日、こんなに薬を飲まなきゃいけないんだろうって。
知らない方が良かったのに、何度も何度もママに尋ねて。
『ママ、ママッ。
どうしてルイは、みんなと走っちゃいけないの?』
『……ルイ』
『ルイ、皆と走りたいの!遊びたいの!校庭で、遊具に登りたいの!』
現実を、知ってしまった―――。