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「次は…斉藤さんの点滴か」
今日も、いつも通りの病院だった。
今日も僕は、患者を見るために、いろいろな病室を回っていた。
その時、偶然通りかかった病室。
そこは――ルイちゃんの部屋だった。
ドアのガラスの方から、そーっと、バレないように覗いてみると。
ベッドで体を起こしたままのルイちゃんの傍にケーゴが座っていて…手を握っている最中だった。
「フッ…。アイツら、いい感じじゃないか」
何だよ、ケーゴのやつ。
もうルイちゃんの心を奪いやがったのか。
悪い男だ。
2人をこっそり覗きながら、そう、1人で呟いた。
実はこれも、2人を逢わせた理由の1つだったりする。
恋の一つや二つもしたことがないケーゴ。
出逢いなんてないと諦めていたルイちゃん。
そして、心にキズのあった2人…。
共通点の多すぎる彼らを引き合わせるとどうなるかなんて、何となく検討がついた。