あの頃は、まだ幼くて。 『疫病神』なんて言葉、知らなかった。 いや、そのまま、知らないまま生きていたかった。 でももう、今となっては、嫌でもあの言葉の意味が理解できる。 俺は、『疫病神』なんだから。 いらない存在なんだから。 確かに今まで、生きてて、何一ついいことなんてなかった。 誰かに必要とされたことなんて、何一つなかった。 何をしても、ウザがられて。 いつも、一人ぼっちで。 誰にも助けてもらえなくて。