びっくりして、あたしは布団の中に埋めた顔を上げた。
多分今のあたしの顔…凄いと思う。
びっくりしすぎて、顔崩れちゃってるよ。
それに、泣いたから、絶対目腫れてる。
どうしよう。こんな顔で、あの“圭伍くん”と初対面なんて。
はっ……恥ずかしすぎる――っ!
「まままままってっ!出てって!今のあたしの顔、絶対ヤバイからっ!メイクする時間ちょうだいっ!」
「はぁ?」
「いいからっ!こんな顔、見せたくないっ!」
急いでもう一度、布団の中に顔をうずめた。
もう、最悪。
ていうか内山先生、いきなりすぎるんだよっ!
何で前もって言ってくれなかったの!?
バッチリメイクもできたのにっ!
もー……やだ……。
ずっと会いたかった人とやっと会えたのに、こんな最低な顔なんて…。
そう思いながら、また、布団の中で涙が出そうになった。
すると。
――バサッ!
圭伍くんが、あたしがかぶっていて、顔をうずめていた布団を、勝手に取ったのだ。
「ちょっと……!何すんの!?」
「いや、別に。せっかく初対面なんだから、顔見てぇなって思っただけ」
「だからっ!今のあたしの顔は――」
「大丈夫だって。どうせ女子って、化粧してもあんま顔変わんねぇだろ。お前だって同じだ、きっと」
「ひっ……ひどっ!」
ちょっと待って。
圭伍くんって…こんなにヤなヤツなの!?
もっと、大人しくて、優しくて、いい人かと思ってたのにっ!
女の子のメイクをこんなに悪く言うなんてっ!最低!
最低!男の子として最低!
それに、性格も最悪じゃん!