あの、あたしが倒れた日から――早1ヶ月半が経っていた。
相変わらず、隔離されたような広い病室に一人でいるあたし。
でもそれは、段々慣れてきて。
慣れてきたっていうか……内山先生が、毎日話をしに来てくれるから。
どんなに忙しい日でも、必ずあたしに会いに来てくれる。
『今日は空が綺麗だ。ルイちゃん、外見た?』
『今日の昼食まずかっただろ!?先生、もう少しで吐きそうだったよ…正直』
『さっき診察に来た患者、ルイちゃんと同い年だったんだ。その子ね――』
――そんな、当たり前の会話を。
いつもたわいのない内容なのに、何故かホッとする。
たったの5分もいられない日だってあるのに。
毎日毎日……必ず、来てくれるんだ。
内山先生には、本当に感謝してる。
ママと喧嘩して…あの日からママは、1度もここに姿を現していなかった。
だからパパも来づらいだろうし、滅多にお見舞いは来てくれない。