“病気”って自分で口にした瞬間……ゾッと、鳥肌が立ったのが分かった。
先生の返事を聞くのが、怖い。
少しでも気を紛らわすために、俺は置いていた箸を手に取り、伸びたラーメンを啜った。
――ズズッ。
少しだけ静まり返った部屋に、俺のラーメンをすする音が響いた。
そして、10秒ぐらいの間が空き。
――先生の唇が、動いた。
「……ああ。重度の、心臓病だ」
「……心臓病?」
……心臓病。
テレビで何度か聞いたことがある。
俺はまんま健康体だから、縁はない話だと思ってて……ちゃんと聞いたことはないが。
でも、名前を聞くだけで、恐ろしい病気な気がする。
「ルイちゃんは、小さい頃から心臓が弱くてな…。僕の先輩が、小さい時からルイちゃんの専属医だったんだ。そして去年、僕が引き継いだ」
「……」
「先輩からルイちゃんを引き継いで、すぐだった――。病状が、ものすごく悪化して――」
「……」
要するに、彼女は小さい頃から体が弱くて。
ずっと、その体で戦ってきたというわけか。
俺みたいな健康体のやつとは違って、いつも苦しんでた、ってわけ……か。