そういやあの人。
助かったんだろうか。
あの日以来、先生からは、何も聞いていなかった。
未だに深刻そうな顔をしている、内山先生。
――もしかして……。
「まさか……助からなかった、とか……?」
嘘だろ……。
先生に限って、そんな手違いは――
「馬鹿言え。そんなわけがないだろう。僕は大阪市立病院のスーパードクターだ」
よかった……安心した。
つか、自分でそこまで言うか?
まあそこは、どうでもいいが。
でも……“ルイ”って、どんな奴なんだろう。
苗字は何?
何歳?
子供?
どこに住んでる?
何か、何でだろう……。
何かが、気になって仕方がない。
「あの子な……笑沢ルイちゃんって言うんだ」
「笑沢、ルイ……?」
「おう」