――ゴクリと唾を飲んだ。
「……ケーゴ、“ルイちゃん”って……覚えてるか?」
え?ルイ?
誰だっけ、そんなの?
「……ルイ?」
「ほら、ちょうど1ヶ月ぐらい前かな?ケーゴが初めて病院に来た日」
「?」
「救急救命センターに、運ばれてきた子だよ」
救急救命センター……?
あ、そういえば俺……あの日――
『先生っ……!る、ルイちゃんが……っ!』
『ルイちゃん……来たか』
『おう。先生も、ルイちゃんの診察行ってくるから』
―――――
―――
…思い出した。
……確かに、誰か運ばれてきた。
内山先生も、あの看護師も……“ルイ”って呼んでた……。
「……覚えてるよ」
「そうか。それはよかった」
「……で。その“ルイ”ってやつが、何?」