とくに、コイツとならなおさら。
めんどくさくて、めんどくさくて、めんどくさい。色々と。
先生が家に来てご飯を食べるときは“この箸!”ってもう決まってるし
勝手にテレビのリモコンを操作し始めるし
お前んちかよ!ってほど、ソファーでくつろいでるし。
でも。
そんな些細なことが、すごく嬉しくて。
嬉しくて。
楽しくて。
たまに、ずっと家にいてくれればなって思ってしまうほど。
何だかんだ言いながらも俺は、そんな先生を、心から尊敬しているんだ――。
「ケーゴ」
「何」
「ちょっと話があるんだけど……」
男二人で静かなリビングでラーメンを啜っていると。
突然先生が、そんなことを言い出した。
何だ、改まって…。
俺の頭の中は、はてながいっぱいになった。
珍しすぎて、鳥肌が立ってくる。
そんないつも異常なテンションだから、改まるなんてらしくない。
「……何だよ?」
俺は緊張しながら、今まで持ってた箸をテーブルに置き、先生と向かい合った。
いつもならあまり見ない、先生の真顔。
あの…初めて先生とあった日以来かもしれない。
そんなに深刻な話だろうか。