……忘れるなんて、できるわけがない。
でも、思い出すだけで……
大きな憎しみが、俺の中に押し寄せてくるんだ。
「先生……俺、どうしたら……」
「……」
悔しいけど……涙も出てこないんだ。
先生なら、教えてくれる?
俺が今、どうするべきなのか。
教えてくれよ……。
「ケーゴ」
「……ん」
「んなことよりまずは、ラーメン食べようぜ。僕、腹減って何も考えられないから」
……は。
「―――――はぁ!!!?」
最悪!最悪!先生最悪!
何でこんな時に限って、相談に乗ってくれないんだよ!
ありえんし!
でも食べないと、麺がもっと伸びるし……。
先生は、子供みたいに手足をバタバタして、ラーメンの前に座り、駄々をこねている。
「ケーゴー!早く食べようぜ!」
「……あーもー、分かったよっ!」
「やったあ♪」
めんどくさくなって、結局、ラーメンを食べることにした。
蓋を開けると―――。
「……んだよコレ。もう汁見えねぇじゃん」
「……僕、こんなラーメン初めて見た……」
案の定、麺がほぼ汁を吸ってて。
9割が麺の、ラーメンになっていた。