「ていうかさー、そんなに辛いならずっと部屋にでも籠ってればいいんじゃないの?」


「なんで態々そーまでして学校なんかに来てる訳?」と、呆れ顔のリズシアはコクリとワインを一口口に含み、何も言わない凌空を見下ろす。

凌空はリズシアを睨み付けるだけで、文句も言わない。言わないんではなく、言えないのだろう。

動く度ギシギシと軋む身体中の骨。ドクドクと速く打つ心臓。その鼓動の速さは通常の倍の物であり、尋常ではない程速いのだ。

呼吸はその為浅く速い。そして一番凌空を苦しめて居るのはーー


「の、どが……」


(渇くーー)


酷く喉が渇いて仕方が無い。

呼吸の度、言葉を発する度、渇いた喉の所為で酷く口内は引き攣り悲鳴を上げる。


「だから飲めば良いのにー」

「だま、れーー!」


荒い息の合間、凌空は側に在る棚の上に置いて有るカバンの中を手探りで探り、指先に触れたそれをひっ掴む。

それは水の入ったペットボトルで、凌空は震える手で蓋を開けると、浴びる様にその水を飲んで行く。