(でも男女の幼なじみは、ある程度の歳になると一緒に居るのを恥ずかしがり、一緒に居る姿を見られるのも嫌がる様になるらしい)
(けど、私と凌空はそんな事一度もなかった)
(中学生になっても、周りになんと言われ様とずっと一緒に登下校したし、高校も当たり前みたいに同じ所を受験した)
(受験勉強も一緒にして、合格発表も一緒に見に行った)
(何時も、一緒だったのに…)
夕日に染まる教室で、由希はただ一人…唇を噛み締めた。
その日を境に、由希と凌空が一緒に居る姿を見た者はいない。
二人が一緒に居ないという実態は、瞬く間に学校中に広まった。
元々仲が良いと評判だった二人なだけに、噂が広まるのも早く、噂の中には付き合っても居ないのに喧嘩別れしたのではないかという嘘まで混じって居る始末。
だがどうして二人が一緒に居なくなったのかうぃ知る者は誰も居ない。
由希自身も何故なのか分かって居ない為、聞かれても答えられる筈もなく、ことごとくはぐらかし逃げる道を選んで居る状況だ。