「あ、そうそう。荒川凌空はどう? 元気?」
「あ、あの。あれからあんまり時間経ってませんけど…」
まるで暫く会っていない様な口振りのリズシアに、苦笑いしか浮かばない由希に、「えっ、そうだっけ? ああー、そういえばそうかもね~」と笑いながら返された。
「げ、元気だと思いますけど…」
「へ~、元気、ねぇ。…心配掛けたくない訳か」
含み笑いを浮かべぼそりと由希には聞こえない声で呟いたリズシアに、由希は当たり前だが気付いては居なかった。
「それよりも、どうしてわざわざ私に? 凌空に直接聞けばいいんじゃ…」
気持ち的にも落ち着いた由希は、ベッドの上で正座をし机の上に座るリズシアを見上げる。
当のリズシアはリラックスした様子でワインを口に含んだ後、「えー、男に会うより女に会った方が気分いいじゃん。あ、でもキミはちょっと俺のタイプじゃないかも」と手でボン・キュ・ボンの女性の体型を空中に作った。
それには由希の口も引き攣らせ、恥ずかしさで顔を真っ赤に染めていた。