それには由希も驚き、凌空の顔に近付きガン見してしまう始末だ。


「なんで? だってさっき…」

「由希の見間違えだろ? それに顔近けぇよ」


凌空の呆れた声にも、由希は「でも!」っと尚も納得しない。そんな由希を宥める凌空に、渋々凌空の顔から距離を取る。



その後、疲れたから一眠りすると言う凌空に由希は家に帰ると告げ、凌空の部屋を後にした。

自分の部屋へと戻り、由希はベッドに倒れ込んだ。凌空の前では納得して見せたが、やはり由希は納得しては居なかった。

どうしても、見間違いだったとは思えないのだ。


「なんだったのかな…」


天井を見上げながら、ぽつりと呟いた由希はその後呻きながら、ベッドの上で何度も寝返りを打っていた。

そんな時――


「パンツ見えちゃうよー?」

「……っ!」


音も無く現れたその人物は、ベッドに俯せになって居た由希の足元に立ち、覗き込む様に身を屈めていた。

突然の登場に驚き体を起こしベッドに座り直す由希の行動に、その人物は可笑しそうに笑っていた。