「由希、このもう一個は?」

「え、それ? ヒサちゃんが凌空とお揃いに私の分も造ってくれたの! ほら、私の方はピンクでしょ?」


凌空の持つネックレスのピンクの石が埋め込まれた所を指差し、嬉しそうに見つめていた。

そこでふと、まだ凌空がネックレスを着けていない事に気付く。


「ねぇ凌空、ネックレス着けてみてよ!」

「ん? おう!」


由希のネックレスを側に置き、自分のネックレスを着け様と首の後ろに手をやるが、留め具が何度やってもアジャスターに引っ掛からず悪戦苦闘しており、見かねた由希が凌空の首に前から抱き着く様に首の後ろに手をやり留めてやる。


「はいOK!」

「お、おう。サンキューな」


ネックレスを着けた凌空の姿を満足気に見た後、指でOKサインを作った。凌空の黒いTシャツの上でも揺れ動く度に存在感を出す赤い石と共に輝くシルバー。


「お前にも着けてやるよ」

「ほんと?! じゃぁおねがーい」


凌空の言葉に「私も自分で着けるのって苦手なんだよね!」っと嬉しそうに凌空に背を向ける。