由希がわくわくしながら凌空が紙袋を開けるのを待っていると、凌空は半信半疑な面持ちで紙袋の中に手を入れ箱を取り出した。
赤い箱に黒いリボンで綺麗にラッピングされたその箱を手に、凌空は手を止め目の前にいる由希を見つめ、
「これは?」
掌より少し大きい位の細長い箱を片手に、凌空は首を傾げた。その姿に由希はぎょっとし、輝かせていた目が元に戻っていた。
「これは? って、それだけ?!」
「はあ? どうしたんだよ急に…」
急に声を荒げた由希に対し、凌空はなんだと箱を見下ろす。由希は口をむっと尖らせ「開けてみて」と箱を指差す。
凌空は由希をちらりと見た後、言われた通りリボンをほどき箱を開けた。中には綺麗に入れられた、二つのネックレスが入っていた。
「ネックレス?」
赤い石が埋め込まれたネックレスを箱から出し、手の上に乗せ興味深そうに眺める凌空に、由希はまた目を輝かせる。
「それね、凌空の好きな蛇と蝶なんだよ?」
「えっ、まじ?」
「まじまじっ」
驚いてネックレスをガン見する凌空に、由希は満足気に笑う。