「でも!」
「大丈夫だって言ってんだろ? 心配すんな」
大丈夫な訳ない。と、声を荒げて言由希の頭を、凌空は撫で安心させ様とする。
それでも由希に向ける笑みには、疲れが見て取れる。無理をしているのに気付いた由希だったが、本人は何も言わず隠す為、素直に頷くしかない。
「そういえば、今日はどうしたんだよ?」
「え?」
邪魔そうに長めの前髪を掻き上げ首を傾げる凌空に、由希は俯いていた顔を上げ凌空を見る。
「え、じゃなくて、何か用があったんじゃねーの?」
呆れた様に片眉を上げ、きょとんとする由希に問う。
「あ…、あ! そうだ! 凌空に渡す物があったのっ」
「渡す物?」
なんだそれと頬を掻く仕草をする凌空に、ベッドの横に置いていた紙袋をベッドから身を乗り出して取った由希は、含み笑いを浮かべ凌空の目の前に紙袋を突き出す。
「じゃん!」
「じゃんって…なんだよこれ、」
渡された紙袋を手に、じっと紙袋を眺める凌空に、由希は「いいから開けてみてよ!」っと、紙袋を開けるように託す。