「あっ、そうだ! カーテン開けよ! 今日ねー、雲が一つもなくて真っ青な空なんだっ」
気分を変え様と窓に向かいカーテンを掴み、一気に両側に開けた。
その瞬間、太陽の光が室内を明るく照らし、どんよりした雰囲気もスッキリした様な気が由希はしたが、どうやら凌空は違ったらしい。
「う! ゆ、きっ…カーテン、しめ、ろ…!」
光から顔を背け、腕で顔を隠して言う凌空に、
「え…でも天気が――」
「いいから早く閉めろ!!」
それが不思議で由希が言おうとしたが、凌空の荒げた声に急いで開けたカーテンをもう一度閉める。
カーテンを閉めた事で室内に入っていた光が遮断され、光で温かかった室内が途端に薄暗く寒くなってしまった。
だが凌空は残念がる由希とは逆に、光の入らなくなった室内にほっと胸を撫で下ろしている。
「凌空…どうしたの? 頭でも痛い?」
頭を抑え壁に力なく寄りかかる凌空に、窓から離れベッドに腰かけ伺うが、
「なんでもねーよ」
凌空は大丈夫だと笑うだけだ。