「はあ? 由希、だからなんでそこでヴァンパイアなんて…」


由希の真剣な言葉にも、凌空は何ふざけてんだと呆れた。だがそんな凌空の言葉を遮ったのは…


「だーい正解!」


満足げに微笑んだ、あの男であった。


「流石桜木由希。正解したキミにはアメをあげる」


はいどうぞと、男は上機嫌にピンクの紙に包まれた大きめのアメ玉を由希に渡す。

その急に変わった態度に押され、由希は大人しくアメ玉を受け取る事になった。

そしてそのアメ玉は、何故か由希にだけ渡され、凌空には見向きもせず由希達の座るベッドの斜め前にある机の上にその男は座った。


「あ、ありがとう、ございます?」

「こんな男に礼なんて言うなよ! それにアメも貰うな!」

「で、でも折角貰ったし、貰える物は貰わなくちゃ」


由希が持っているアメ玉を奪おうとする凌空に、由希はアメ玉を取られないようにすかさず凌空とは逆に手を向け死守する。