『りく! ねぇりく!! 起きてよ!』
『予定は狂ったが、餓鬼は餓鬼だからいいか。よかったな? 荒川凌空が助けてくれて』
『や、いやぁ……』
『これでめでたく…荒川凌空は、俺達の仲間に一歩近づいた』
『り、く…。やだよぅ凌空!』
『十年後、荒川凌空は……』
「ヴァンパイア、に…なっちゃう――っ」
「はあ?」
頭の中の映像とリンクし、由希は涙ながら叫んだ。しかしいきなり叫んだ由希に、その叫んだ言葉に凌空は素っ頓狂な声を出した。
「由希、ヴァンパイアってなんだよ?」
「え、あ…あれ?」
漸く我に帰った由希は、今度こそしっかりと凌空を見ていた。だが、凌空の言葉に由希も不思議そうに凌空を見つめている。