「なんで離れて座ってんだよ」

「え、うーん…。なんとなく?」

「なんとなくって…。流石の俺も傷つくぞ?」


若干避けられた事にショックを受ける凌空。落ち込んだ様子の凌空に、由希は笑いながらその左腕に抱き着いた。


「冗談冗談! 今更凌空の変態発言に避けたりなんてしないよ!」

「お前…。それ喜んでいいのかわかんねぇよ」

「えーどうして? 褒めてるのにっ」


凌空の腕に抱き着いたまま、凌空が側に置いていたコントローラーを拾い、由希はまた新たに最初からプレイする。


「そういえばさ、由希って髪伸ばさねーの?」

「へっ、急にどうしたの?」


凌空の突然の呟きに、由希は肩ほどの高さにある由希の頭を見下ろす凌空を、画面を見ていた瞳できょとんとする。

何の前触れもなく唐突に告げられた凌空の疑問に、由希は不思議だった。