「嘘だ…」
「嘘じゃねーから、今もちゃんとエンディング流れてんだろ」
「グ、グッドの方でしょ?」
「ちげーだろ! 現実を受け留めろ」
「うう~……」
めでたく、真田幸村とこのゲームのヒロインの少女は幸せなエンディングを迎えた。その映像に、由希は頭を抱える。
由希の予想に反して、凌空の選んだ選択肢でハッピーエンドになった。
長年様々なゲームをプレイして来た由希には、絶対の自信があったのだ。
全然乙女ゲームという物をプレイした事のない凌空に、まさか当てられるとは夢にも思わなかった。
「凌空に負けたー!! なんで分かったの?! なんで?!」
「別に勝負してねぇから。それに由希はな…男心が分かってないんだよ」
「お、男心…?」
首を傾げ、何それという表情を浮かべて凌空を見つめる。
由希のその様子に、凌空はバームクーヘンを咀嚼しつつ呆れた表情を浮かべた。