「安い物じゃねーの。仮に古本屋に売りに行ったって、すげー安くしか買い取ってくれないだろ?」

「ふあい…」

「お前、確か半年前にもそんな風にゲーム買って失敗したよな? そんで、売っても全然高く買い取ってくれなかったって、半べそかいてたのって……誰だっけ?」


そう言い由希の頬から手を離した凌空は、赤くなった頬を擦る由希に未だにあの恐い位の笑みを向けていた。


「……私です」

「だよな」


凌空の笑みを見ないよう由希は顔を背け、落胆したのかガクッと肩を落とす。確かに全部、凌空の言う通りなのだ。

テレビからは軽快な音楽が流れているが、由希はコントローラーを握ったまま体育座りをし、何とも陰気臭いと言われるような雰囲気を纏い始める。

それは、今にもキノコでも生えてくるんじゃないかと言う位じめじめだ。