「天翔…」


何かその言葉に胸がキュンと高鳴った。


「うわっ…天翔がノロケてるし…」


「珍しいね♪」


「お前らに言われたくねぇ」


天翔はプイッと顔を背けた。


あ…照れてる…。


「ほら美桜、行くぞ」


「あ、うん。優実、じゃあね」


「バイバイ、美桜」


そう言ってあたしと天翔は倉庫を出た。





「どこ行く?」


あたしの手を引いて、歩く天翔。


さっきのことがあるからか、なかなか目を合わせてくれない。


「どこでもいい」


あたしが天翔の腕にしがみつくと、天翔は頭を撫でてくれた。