でも、そんなことを気にする余裕なんてない。


「ねぇ、優実…どうして? あたし、信じてた。優実と天翔は裏切らないって」


責め立てるように次々と言葉が出てくる。


いつもの優実なら、ここで泣き出していただろう。


でも、今日の優実は違った。


『違うっ!! 天翔は美桜のこと、裏切ってなんかない!!』


思わぬ優実の態度に、一瞬怯むあたし。


裏切って…ない…?


「じゃあ…どうして…?」


何で…優実と…。


『あのね…美桜…』


すると優実は深呼吸をして、ゆっくりと話始めた。


まるで、何か大事なものを犠牲にするように…。