孤独や裏切りの苦しみは、誰より知っているのに…。


俺は美桜だけではなく、親友である聖夜も傷つけた…。


「俺…っ、最低だな…」


俺が俯いて呟くと、優実が心配そうに俺を見る。


「天翔…」


「悪ぃけど…一人で帰ってくれねぇ? さすがに送れねぇから…」


俺が言うと、優実はコクリと頷いた。


「ちゃんと二人と仲直りしろよ」


「うん…」


優実は、タタタッと聖夜と美桜が消えていった道を走り出した。


「クソッ…!!」


優実が見えなくなると、俺は思いっきり殴った。


切れた拳から血が流れ、ズキズキと痛みだす。