それだけ言うと、聖夜はクルリと背中を向けて歩き出した。


「聖夜っ!!」


優実が聖夜を追いかけようと、足を踏み出す。


「行かない方がいいと思うけど…?」


「え…?」


ずっと俯いていた美桜が冷たく呟いた。


その声はまさに氷。


出会ったときのように、冷たくて感情のない声だった。


ヤバイ…かなり怒ってるな…。


「優実、あんたも最低だよ…」


「…っ!!」


「美桜!!」


俺は思わず叫んでしまった。


まさか美桜の口からそんな言葉がでるなんて…。


案の定、それが美桜をさらに傷つけたようだった。