美桜は息を飲み、目を反らした。


「ざけんな!!」


聖夜の罵声が響く。


聖夜は俺に馬乗りになり拳を振り上げた。


その表情は怒りと悲しみが入り混ざっている。


俺が目を閉じた時、美桜が聖夜を止めた。


「聖夜、待って?」


「んだよ!?」


「いいから」


美桜は聖夜を落ち着かせると、俺に問いかけた。


「ねぇ天翔、優実と何してたの…?」


ゆっくり確かめるような美桜の口調。


不安そうな声に胸が締め付けられる。


「美桜、それはね…!!」


「優実!!」


美桜に言おうとする優実を、俺は止めた。