俺はハッとして口をつぐんだ。


今優実の肩を持ったら、確実に誤解されてしまう。


でも、今更後悔してももう遅い。


聖夜はこめかみをひきつらせ、美桜は傷ついたような表情をしていた。


「お前…っ」


聖夜は怒りで体を震わせ、ガンっと俺の胸ぐらを掴む。


「……っ…」


「お前、自分が何したかわかってんのか?」


「……」


俺は何も言えなかった。


ここで何か言っても、二人の怒りを煽るだけだ。


何も言わない俺を聖夜は睨んだ。


バキッ。


次の瞬間、聖夜の拳が俺の頬を捉える。


「…ッ…!」