「聖夜!!」


聖夜を見ると、優実は一目散に俺から離れた。


「来るな」


しかし、聖夜の低い呟きに優実の動きがピタリと止まる。


「え…?」


優実が傷ついたように立ち尽くす。


聖夜と美桜から感じる、殺気だった怒りのオーラ。


そして怒り狂った聖夜の視線が、俺に向けられた。


「おい、天翔!! どういうことだよ!?」


「違うの!! 聖夜…」


「お前は黙ってろ」


慌てて口を挟んだ優実を、聖夜が怒鳴り付ける。


その声に優実はビクッと震え、俯いた。


「おい、聖夜!! 優実の話くらい聞いて…」


「は…?」