その言葉だけで救われた。


神様に、感謝した。

ありがとう、と、何度も言った。



そして、架綾は、

特別な部屋へと連れて行かれた。



架綾が…

最後に言った言葉を…
ふと、思い出した。


…‐――――

『私が月なら、大也は"桜"って…言ったよね?…でも、ね?大也は"空"になって欲しい。』


『何で?』


『"空"に"月"は浮かんでいるから、かな?』


…‐――――


「架綾…。」


その日から、一日中架綾の側に居た。



架綾の側を、離れたくなかったから。



「家に帰りなさい。」


詩香おばさんに言われた。


でも…


「後悔しなく無いんです。架綾の側に居られなかったって…、後悔したく無いんです。」


返答した。こんなに空っぽな俺、初めてだった。



空っぽな俺でも、架綾が側にいたら

空っぽじゃない気がしたんだ。