「来たぞ~…」



いつものように、部屋に入ると、架綾の姿は無かった。



変わりに居たのは、詩香おばさんだった。



「か…や…架綾は…っ!!」



興奮してしまう。詩香おばさんも、涙を浮かべていて…。


やっと、架綾の事を聞き出せた。



「架綾は…し、しゅ…術…室…、いきな…り……っ」



「分かりました。」



それだけ言うと、手術室に向かって走った。


勿論手術中だから、

大きく聳え立つ、

あの扉の前に座っていた。



「が…んば……れ…架綾………。」



声が出なかった。