「それ、いつ読み終わる?」

いきなりだった。
本を読んでたら後ろから声をかけられた。

図書室を使う人なんて私以外見たことがなかった。
それくらい、使われてなかった。だからふり返って男の子がいることに驚いた。

「なぁ、それいつ読み終わんの?」

相手の口調が少しきつくなって、はっと我にかえる。

「あ、あの.....も、もうちょっとで、終わる」

「ふーん、なら、待ってていい?」

人見知りの私が初対面にこれだけ話せれば上出来だった。

このとき、こたえたんだから早くどこかへ行ってくれ!なんて思ってた私だ。
正直、待ってるとか冗談やめて早く外で遊んでてくれないかなーとも思ってた。