「元々ね、あまり学校に来てなかったの。それで、真相はよくわからないんだけど、あの事件の後、陽子、あのヤンキー達にボコボコにされたみたいで、大変な事になったとか……」


「……」


「警察沙汰にはならなかったみたい。それで、陽子の家、引っ越したとか……」



そっか……。


あんまりいい気分はしない。


陽子さんも悪いけど、あのヤンキー達だって悪いのに。



「ごめんね、響。本当に……」


「もういいって」


「私があの時、声をかけなきゃ、陽子と響が出会うなんて事はなかったから」



そうかもしれない。


でも、陽子さんが朱雀の元カノである事は変わらない。



きっと、違う機会に出会っていたはず。