わかってくれたのなら、それでもいいんだけどさ……。
「さすがに、龍斗は強敵だと思うなぁ……」
「何でよ?響だって天堂君と付き合えたんだから、私だって頑張ったらできるでしょ?」
「まあ、うん……」
またその話かい……。
「だから、私、頑張って心もみがくね。響みたいにピッカピカに」
「……」
目をキラキラさせて言う佐和子。
どうにも、調子が狂っちゃうなぁ……。
決意表明はいいんだけど、本当に強敵だってば。
龍斗の想い人は、お兄さんのお嫁さんで、外見も中身も綺麗な人なんだし。
「それとね、陽子、学校やめちゃった」
「……え?」
少し言いにくそうに、小さな声で佐和子が言った。