佐和子の決意表明に、私は開いた口がふさがらなかった。


だ、だって、龍斗の彼女に立候補って事でしょ?!


無理だよ、無謀すぎ!



「初めて会った時はさー、何でこの人に責められなきゃならないんだろうって、思ったんだけどね。でも、それは私が悪かったし」


「……」


「青葉君の事も、怖い印象しかなかった。でも、あの帰り道、本当に彼は優しかったんだ。ああ、こんな風に優しく接してくれるのは、私が心から響に謝ったからだって。……あんな風に優しくしてもらえるのって、本当に嬉しい事だね」



佐和子の表情から、イジワルそうなものは全くなくなった。


だから、本心で語っているんだと思う。