「ううん、何でもない。今では鳳凰学園に入ってよかったって、心の底から思うし」


「響……」


「朱雀、親や理事長がグルだったら仕方ないよね?でも、付き合いは親公認って事なんだよね?」


「バーカ。反対されてもオレは響を離すつもりはないけどな」



そう言って、朱雀は私の肩を抱いた。


お母さんが真正面にいるっていうのに……。



「本当によかったわ。響をこれからもよろしくね、天堂君」


「もちろんです。絶対に幸せにします」



お母さんに言われて、朱雀は返事をすると、私を見てニコッと笑った。


私もつられてニコッと笑ってしまう。




まさか、最初から鳳凰学園へ入学する事が親たちによって仕組まれていたとは、想像もしていなかったよ……。