振り込み忘れたんじゃなくて、『ワザと』振り込まなかったって言ったよね?!



「ど、どういう事……?」



終わりにしたはずなんだけど、聞かずにはいられなかった。


私が聞くと、お母さんはニコニコとしながら、朱雀に視線を向ける。



「天堂君に出会わせるため……かなっ?」


「朱雀と出会わせるため?!」


「……じいちゃんが度々オレを呼んで、響の様子を聞いてきたのは、そのためか」



私は理解していないというのに、朱雀はもう理解しているようだ。



「つまり、オレの親も祖父も、響の両親もグルって事ですよね?」


「大正解っ!天堂君、あったまいいーっ!」



クラッカーでも鳴らしそうな勢いで1人で盛り上がるお母さん。