次の日の朝、
6番線のホームに立つ優を、
階段から見ると、
なぜかそれだけで、
泣き出したくなってしまった。
そんなことだから、優は私に言い出せなくなってしまうんだ。
私は、ぎゅっと目をつぶって、
ブンブンと首を振り、涙をこらえると、
階段を下りて、優のところへと近づいた。
優は私を見つけると、優しく微笑んで、
手を伸ばしてきた、
ちょっと走ってその手を掴むと、
私は指を絡ませて、そっと隣に立った。
やっぱ、そばにいたいな.......
繋いだ手から、優の手のぬくもりが伝わってきて、
どうしても離れたくないと思ってしまった。
遠くに行かないで.......
私を一人にしないで......
一番言ってはいけない言葉を、
心の中でつぶやいた。
「どうした?」
隣から心配そうに顔を覗き込んできた優。
私は、
私は.......
「優の決めた道を、
私は応援するから。
だから、
正直に答えて欲しい。
優は、茨城に行くの?」