放課後。先生たちは教室からいなくなり、生徒たちが1番輝くであろう時間。
みんな、部活が楽しそうで、羨ましい。
部活に熱中してる人って、やっぱりなんか違う。オーラがキラキラしてる。

そんなみんなを見ていられなくなって、私はすぐ鞄を持ち学校を出た。

校庭の横を逃げるように顔を伏せて早足で歩いた。しばらくぼーっと歩いて駅に着いた。ホームに座ってまたぼーっとする。この時間はホームに生徒たちはほとんどいない。


「あれ?仲原さん?」
急に名前を呼ばれて、振り向くと、そこには同じ陸上部の海藤さんがいた。
話すのは初めて。
「あ、海藤さん。」
海藤さんも、放課後よく魅畝と居たから毎日部活に出ていたのだろう。
少し後ろめたさを感じて声が小さくなる。

「そういえば、仲原さんも陸上部だったよね?」
私の隣に座りながら彼女は言った。
見た目から受けるイメージよりもよく喋るなあ。

「え、ええ。」

それ以上、彼女はなにも聞いてこなかった。
何か聞いてくれれば言い訳もできるのに…と思いつつ、黙っていた。