まあ聞いていたのは
   前半だけなんだけどね。

   「まあ、あんたは聞き流しだけでも
   成績優秀だしね。」

   「うん。羨ましい。」

   「そんなに褒めても何も出ないよ。」

   「いや、妬んでるんですけど。」

   「飴玉くらいは欲しい。」

   二人とも、ホント遠慮ないな。

   「はいはい、授業始まるよ。
   次体育だし。」

   そう言って話が進まないように
   誤魔化し、体育館に向かった。
   今日はバスケ。
   スポーツの中では得意だし、
   自分でもセンスはあると思う。